【第22号】石仏は三種類 石仏=お地蔵さまではありません

皆さんこんにちは。今月も弘法さんの日がやってきましたが、先月号でお伝えしましたとおり、今月は石仏について調べてみました。

石仏は三種類

このかわら版を読んでくださっている皆さん、まわりを見渡してみてください。石仏が目に入りませんか。ここ覚王山八十八カ所霊場の路傍には、たくさんの石仏が鎮座しています。

石仏には、神像系、仏像系、石造遺物の三種類があります。神像系は道祖神や水神の像のことです。仏像系は観音菩薩や地蔵菩薩です。石造遺物は狛犬(こまいぬ)や道標(みちしるべ)のことを指します。さて、回りの石仏はどの種類でしょうか。

神仏の姿をかたどったものを刻像塔、文字だけを刻み込んだものを文字塔とも言います。

石仏=お地蔵さまではありません

覚王山八十八カ所霊場に最も多いのは仏像系です。仏像系の石仏は、印相(いんぞう=手の形)や持ち物で何仏か見分けがつきます。

阿弥陀如来さまの印相は弥陀定印、大日如来は智拳印、釈迦如来は法界定印といった具合です。

石仏の代表格、お地蔵さま(正確には地蔵菩薩)は僧の顔をして錫杖(しゃくじょう)と宝珠(ほうじゅ)を持っているのが一般的です。

お地蔵さまは、お釈迦さまの入滅後、弥勒菩薩が出現するまでの無仏の間、人々を救ってくれる救世主だと信じられています。六道(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上)の迷いの世界で地蔵菩薩が救ってくれることから六地蔵像が並んでいる風景もよく見かけます。

覚王山八十八カ所霊場をはじめとする全国の四国霊場の写し(新四国とも言います)では、石に刻まれたり石仏となった弘法大師像にも出会えます。さて、今日はいくつの弘法大師像を見つけることができましたか。

赤坂町の弘法堂

かわら版第五号でご紹介しましたように、名古屋周辺には、荒子、笠寺、竜泉寺、甚目寺の尾張四観音があります。覚王山はその四つを結ぶ四観音道が通っていますが、日泰寺の北に接する赤坂町には、笠寺から竜泉寺へ向かう四観音道の傍らに弘法堂があります。弘法堂には四体の石仏があり、一番大きなものが道標仏となっています。よく見ると、道標仏には「右・みなみかさでら道、左・坂を下って左へりゅうせんじ道」と刻まれていました。

日泰寺から歩くと少し遠いですが、散策がてらに弘法堂にお出かけになってみてはいかがでしょうか。

石仏巡礼

石仏を巡ることを石仏巡礼とも言います。まとまった石仏群に出会える霊場や寺院は全国各地にあります。愛知県内では、鳳来町の仏坂ふりくさ道という山道に石仏群があるそうです。鳳来町には弘法大師が発見したとされる赤引温泉もありますので、何か関係があるのかもしれません。ご存知の方がいらっしゃいましたら編集部まで是非お知らせください。

御祥当の読み方

先月号でお釈迦様の年命日である御祥当を「ごようとう」とご紹介したところ、「ごしょうとう」ではないかとのご指摘を頂戴しました。たしかに「ごしょうとう」が一般的のようですが、「ごようとう」との読み方もあるようです。しっかり調べて来月号でご報告させて頂きます。もう少々お待ちください。