【第178号】知多八十八ヶ所霊場4(六番札所から、出発!)

皆さん、こんにちは。いよいよ春本番。とは言え、朝晩は冷え込む日もあります。くれぐれもご自愛ください。今年のかわら版は知多八十八ヶ所霊場についてお伝えしています。今月は六番札所から出発です。

平景清(かげきよ)

国道一五五号線を南に折れ、「あいち健康の森」の西側にあるのが六番札所、萬年山常福寺。五番札所から四・〇キロメートルです。

壇ノ浦の戦いで敗れた平景清がこの地に逃れ、草庵を結んだのが縁起と言われています。

景清が読経満願の夜に千手観世音菩薩を感得。自ら木像を彫りました。

村人たちがこの地で没した景清の冥福を常に祈るという意味で寺号を常福寺としました。

所在地の地名「半月」は、景清が千手観世音菩薩を半月で彫ったことに因んでいるそうです。

ご本尊 千手観世音菩薩

ご詠歌 半月の法の光の輝きて 迷ひの雲も 晴れて跡なし

抱き地蔵

六番札所から三・六キロメートル、七番札所は彼岸山極楽寺。

国道三六六号線の西側の集落の中にあります。

「村木砦の戦い」で織田信長が本陣を構えたと言われています。

境内東側には樹齢九〇〇年の大楠。東浦町の天然記念物です。

大師堂の前にはお遍路さんに人気の抱き地蔵。抱擁して抱き上げると願いが叶うそうです。

ご本尊 阿弥陀如来

ご詠歌 極楽は いづこと人の尋ねなば この森岡にもありと教えよ

妙法さま

七番札所から集落の中を南へ一・〇キロメートル進むと、八番札所上世山傳宗院。

JR武豊線、緒川駅の近くですが、緒川は徳川家康の生母・於大(おだい)の方の生誕地。

大師堂の脇に祀られている妙法さまは安産や婦人病にご利益があると信じられており、多くの参拝客が訪れます。

ご本尊 延命地蔵菩薩

ご詠歌 棹さして 渡る緒川の傳宗院 迷う我身を乗せて賜へや

歓喜天

八番札所から南に向かって二・五キロメートル、九番札所は浄土山明徳寺。

ご本尊の阿弥陀如来は恵心僧都の作と言われています。

境内には、樹齢三五〇年の五葉松、同四五〇年の蘇鉄など、緑が豊かです。

秘仏・歓喜天は夫婦和合、金運のご利益があると言われ、毎年五月五日の御開帳には多くの参拝客があるそうです。

ご本尊 阿弥陀如来

ご詠歌 石浜に 光れる月の明徳寺 気高く仰ぐ 南無阿弥陀仏

賓頭盧(びんずる)さま

JR武豊線石浜駅からさらに南下、国道三六六号線西側の集落を分け入り、九番札所から一・六キロメートル。十番札所は福聚山観音寺。

思わず通り過ぎそうな路地の角にひっそりと佇む観音寺。集落に溶け込んでいる感じです。

堂内に鎮座する賓頭盧さま。自分の痛む箇所と同じところをさすると治ると言われています。

ご本尊 聖観世音菩薩

ご詠歌 慈悲の目に 衆生見給ふ観世音 詣る人びと生路迷わず

番外札所

さて、来月もJR武豊線、国道三六六号線に沿ってさらに南下。亀崎にある番外札所にも立ち寄ります。乞ご期待。