皆さん、こんにちは。今日はご祥当。お大師様のご命日です。ご祥当が来るといよいよ春ですね。とは言え、まだまだ寒い日もあります。くれぐれもご自愛ください。
今年のかわら版は知多八十八ヶ所霊場についてお伝えしています。今月からいよいよお遍路に出発です。
戦人塚
知多半島の付け根、豊明市が知多四国八十八ヶ所霊場お遍路の旅の出発点です。
一番札所は清涼山曹源寺。古くて立派な山門の両脇には独特の風情の石仏がたたずみます。
織田信長が今川義元を破った桶狭間から遠くない場所にある曹源寺。
二世住職、快翁龍喜和尚が戦死者を弔う「戦人塚」をつくって以来、今でも供養が続けられているそうです。
毎月二十九日が縁日。十一月二十九日に振る舞われる大根炊きは、下の世話をかけないご利益があるそうです。
ご本尊 釈迦如来
ご詠歌 知多四国 第一番におはします 曹源寺なる釈迦の尊さ
千体弘法
一番札所から三・五キロメートル、二番札所は法蔵山極楽寺。
国道二十三号線とJR武豊線を越えた先の集落の中に静かにたたずむ極楽寺。
小さな「千体弘法」が両側にずらりと並ぶ大師堂を参ると、一番奥に鎮座するお大師様と目が合うような気がして身が引き締まります。
ご本尊 無量寿仏
ご詠歌 嬉しくも 此処に北尾の極楽寺 慈悲円満の弥陀の力に
浄め石
二番札所を出て南に下り、旧街道に出た角にあるのが三番札所、海雲山普門寺。二番札所から〇・四キロメートルです。
創建は六七二年(白鳳元年)と伝えられる古刹です。
ご本尊の十一面観世音菩薩は十七年に一度しかご開帳されない秘仏だそうです。
石柱に埋め込まれた輪状の「浄め石」があり、この浄め石を回して願をかけるとかなうと言われています。
ご本尊 十一面観世音菩薩
ご詠歌 ありがたや 寺の名さへも普門品 唱えて暮らせ 朝な夕なに
刺繍普賢菩薩
三番札所から一・八キロメートル、四番札所は寶龍山延命寺。
荘厳な楼門の前には趣のある小さな白梅。楼門をくぐって境内に入ると、今度は見事な紅梅の木が二本。参詣した日には、一本が満開でした。
かつては七堂伽藍を備えていたそうですが、戦乱で焼失。
比叡山学頭の慶済法印が再興した後は、近隣諸藩から寺領の寄進を受け、寺の基盤が整えられました。
後奈良天皇から下賜された勅額や「刺繍普賢菩薩」、仏眼仏母曼荼羅など、多くの仏画、仏具、経典などが継承されているそうです。
ご本尊 延命地蔵菩薩
ご詠歌 心して 詣れ其の名も延命寺 地蔵の利益 疑ひもなし
どぶろく祭り
四番札所から西に向かって三・五キロメートル、延命山地蔵寺。
地理的には、五番は八十番台と一緒に打つ人が多いようですが、今回は四番に続いて参拝。
離接する長草天神社で毎年二月に行われる「どぶろく祭り」。酒元組と呼ばれる当番が醸造したどぶろくが振る舞われます。
ご本尊 延命地蔵大菩薩
ご詠歌 六道の 能化を誓う御仏の 利益長草この地蔵寺
壇ノ浦の戦い
さて、来月は壇ノ浦の戦いで敗れた平家の落ち武者伝説が残る六番札所、常福寺からです。乞ご期待。