【第174号】四国霊場、標高の高い札所、札所間の距離の長い遍路

皆さん、こんにちは。いよいよ年の瀬。寒い日が続きます。くれぐれもご自愛ください。さて、昨年から紙上遍路の旅を続けていたかわら版。九月に結願し、総集編も今回で最後。今月は標高の高い札所、札所間の距離の長い遍路、短い遍路などをご紹介します。

遍路ころがし

八十八ヶ所霊場のうち、標高五百メートル以上に位置する札所は八つ。

一番高いのは標高九一一メートルの六十六番・雲辺寺(うんぺんじ)。

札所としては讃岐(香川)の打ち始めですが、住所は徳島。つまり、県境の山の中にあります。

二番目は阿波(徳島)の十二番・焼山寺(しょうざんじ)。標高八百メートルです。

三番目は伊予(愛媛)の六十番・横峰寺(よこみねじ)の標高七五〇メートル。

ベストテンの中に土佐(高知)の札所はひとつだけ。七番目の二十七番・神峯寺(こうのみねじ)です。

標高の高い険しい山の中にある札所は、いかにも霊場という雰囲気ですよね。昔から遍路ころがしと呼ばれ、お遍路さんにとっては、参拝できると喜びもひとしおの難所でした。

遠路の土佐路

札所間の距離が長いのは土佐の特徴。札所の数が少ない一方、面積が広いからです。

一番長いのは、三十七番・岩本寺と三十八番・金剛福寺の間の八十一キロメートル。もちろん、土佐です。

二番目は阿波の最後、二十三番・薬王寺から土佐の打ち始め、二十四番・最御崎寺(ほつみさきじ)。七十五キロメートルです。

一方、距離が短いのは瀬戸内海側。一番短いのは六十八番・神恵院(じんねいん)と六十九番・観音寺。何と同じ境内の中ですから、距離はゼロメートル。

札所間の距離が一キロメートル以内は四か所。こういう遍路は、お遍路さんの足取りも軽く、納経帳の御朱印もドンドン増え、嬉しいですよね。

良いお年を

今年もかわら版にお付き合いいただき、誠にありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。それでは、良いお年をお迎えください。