皆さん、こんにちは。秋本番、肌寒い日も増えてきました。朝晩は冷え込みます。くれぐれもご自愛ください。さて、紙上遍路のかわら版。先月で結願。皆さん、お疲れ様でした。今月は阿波、土佐、伊予、讃岐の四国全体のご本尊についてお伝えします。
仏像いろいろ
過去のかわら版でお伝えしましたが、仏像には五種類あります。覚えていらっしゃいますか。
如来、菩薩、明王、天部、垂迹(すいじゃく)の五種類です。
如来のサンスクリット語(原語)の意味は「真実から来た者」。つまり、悟りを開いた仏さまのことです。
如来以外は、仏教誕生後に教義の解釈から生まれたと考えられていることから、本当の仏像は如来だけとも言われます。
菩薩は、その如来になるための修行中の身。だから、悟りを開くために努力する人は皆、菩薩です。
明王は、悩み、迷える人々(衆生)を如来の教えに導く案内役。時に恐い顔をして愚かな衆生を戒めます。
天部の「天」は天竺の「天」。つまり、天部は仏教誕生の遥か前からインドに伝わる神様がモデルです。だから、独特の衣装などを身に着けています。
垂迹は、日本古来の神々などと関係したり、如来、菩薩、明王、天部の類型に入らない仏像です。
九十二本尊
四国八十八ヶ所霊場のご本尊は十六種類。
一番多いのは薬師如来。病に悩むお遍路さんたちが多かったせいでしょうか。
二番は千手観音菩薩と十一面観音菩薩。四番は阿弥陀如来、五番は大日如来と地蔵菩薩。
ベストファイブの六本尊は、如来、菩薩が三本尊ずつで引き分けですね。
表をご覧いただくと、なぜかご本尊の合計が九十二になっています。不思議ですねぇ。
原因は、三十七番札所(土佐)の岩本寺が、不動明王、観世音菩薩、阿弥陀如来、薬師如来、地蔵菩薩の五本尊を擁しているからです。
開基
来月は、札所の開基(開いた人)が誰かを整理してみたいと思います。一番は誰でしょうか。乞ご期待。