皆さんこんにちは。今年もあと三ヶ月足らず。早いものですね。今月は阿弥陀如来についてお伝えします。
光と長寿の阿弥陀如来
阿弥陀如来は、修行時代、法蔵比丘(ほうぞうびく)、法蔵菩薩と呼ばれていました。人々を極楽浄土に導くことで知られています。
阿弥陀は、「限りない」という意味の「アミタ」というサンスクリット語(インドの言葉)に由来します。限りなく世界を光り照らす如来という意味で無量光如来、あるいは尽十方無碍光仏(じんじっぽうむげこうぶつ)、さらには長寿にもご利益があることから無量寿如来とも呼ばれます。
他力本願
無量寿経というお経の中に、法蔵菩薩が四十八の願を立て、それが達成されなければ仏(如来)にならないと誓ったと書かれています。十八番目の願は衆生を救うことでした。法蔵菩薩が仏になったことから、この願は達成されている、つまり衆生は救われていることになります。この解釈から、阿弥陀如来信仰が誕生しました。
南無阿弥陀仏と唱えれば阿弥陀如来に救われること、これが他力本願です。救ってもらいたいから唱えるのではなく、救われていることに感謝の気持ちを込めて唱えるのだそうです。
九品来迎印
阿弥陀如来が極楽浄土から人をお迎えに来られる際には、生前の振る舞いの善し悪しや信仰心の深さによって、その人にふさわしい九種類の印、すなわち九品来迎印(くぽんらいごういん)を表します。両手をおなかの前で合わせる上品(じょうぼん)、両手とも上に向ける中品(ちゅうぼん)、右手を上に、左手を下に向ける下品(げぼん)。それぞれの品はさらに上生(じょうしょう)・中生(ちゅうしょう)・下生(げしょう)に分かれ、都合九種類です。最も評価が高いのが上品上生、最も低いのが下品下生となります。
日頃から善行に努めたいものですね。
アミダくじは阿弥陀如来の後光
さて、皆さんよくご存じのアミダくじは阿弥陀如来に由来します。阿弥陀如来のお顔を中心に放射状に伸びる線光背と言われる後光を見たあるお寺のお坊さんが、これをくじに使おうと思いついたのが始まりだそうです。
第二番札所日照山極楽寺
四国霊場で阿弥陀如来をご本尊としている札所は九箇所。そのうち、第二番札所は阿弥陀如来の後光と深いご縁があります。この地で修行した弘法大師が阿弥陀如来像を納めました。ところが、この札所に面する鳴門海峡は鳴門の浮き鯛で有名な豊かな漁場。阿弥陀如来像の後光があまりに眩しく、魚が寄りつかなくなりました。困った漁民たちが札所の前に小高い丘を築いて光を遮ると、再び豊漁になったそうです。以来、この札所は日照山極楽寺と呼ばれるようになりました。
覚王山の極楽寺
日本最小の四国霊場の「写し」、覚王山八十八箇所霊場の極楽寺は山門を出てすぐ左側のA地区にあります。残念ながらお堂は失われており、今では石造りの仏像を残すのみです。
山門に近いA地区は毎月大変賑わう場所です。付近には千体地蔵堂や番外札所もあります。お参りの際にぜひお立ち寄りください。
次回からは明王編
さて、来月からは明王編。明王はとても怖いお姿ですが、魔を追い払うご利益があるそうです。乞うご期待。