【第31号】弘法大師と「曜日」・星祭り

皆さん、明けましておめでとうございます。今日は初弘法ですね。弘法さんかわら版も足かけ四年目に入りました。今年もどうぞ宜しくお願いいたします。

弘法大師と「曜日」

さて、今日は金曜日ですが、曜日という考え方を初めて日本に伝えたのが誰かご存知ですか。実は弘法大師なのです。

曜日の起源はインドで書かれた「宿曜経」という密教の経典にあります。これを中国に伝えたのは不空三蔵という人物です。この不空三蔵は、弘法大師の師匠である恵果和尚の師匠、つまり弘法大師の大師匠(師匠の師匠)です。

留学僧として中国(唐)に渡った弘法大師が恵果和尚に師事し、宿曜経を日本に持ち帰りました。

星祭り

さて、この宿曜経の教えに沿って、高野山の宝善院では、毎年二月三日の節分の日に星祭りが開かれています。

人には数え年によって九種類の当たり星(九曜星)があるとされています。羅喉星、土曜星、水曜星、金曜星、日曜星、火曜星、計都星、月曜星、木曜星の順です。これは九年周期で一回転しますが、曜星によって大吉から凶まで吉凶の差があります。そこで星祭りでは、吉の星に当たった人はさらに運勢が良くなるよう、凶の星に当たった人は災難を避けるよう、星供曼荼羅に各人の御守札を供えてお祈りをします。

覚王山で星祭り?

さてこの星祭り、遠い高野山の行事かと思いきや、ここ覚王山でもその御守札を入手できるという話を耳にしました。

四国霊場の日本最小の「写し」、覚王山八十八カ所霊場の第十五番札所(国分寺)で、高野山宝善院の星祭りにお供えする御守札を取り扱っているそうです。ご関心をお持ちの方は、日泰寺本堂東側の階段下、B地区にあります第十五番札所にてお尋ねください。

菩薩と如来

高野山宝善院のご本尊は観世音菩薩です。通称「宝観音」と呼ばれているそうです。観音様は日本では最も人気のある仏像の一つですね。

ところで、かわら版の第十八号で仏像にはいろいろな種類があることをご紹介しました。菩薩は悟りを開いて如来になる前の姿だそうです。

今年のかわら版では、こうした仏像の基本について勉強してみたいと思います。乞うご期待。

百度石と浄メ石

ひとつ訂正とお詫びです。先月号で日泰寺本堂東側の階段の上に「百度石」があるとお伝えしましたが、よく確認したところ、階段の下、覚王山八十八カ所霊場の札所が集中するB地区にいくつもあることがわかりました。申し訳ございませんでした。 

一方、階段の上にあるのは「浄メ石(きよめいし)」の石柱です。浄メ石にはまっている車輪のような丸い石を願い事を念じながら回すと、願いが叶うと言われています。皆さんも、初弘法の願をかけられてはいかがでしょうか。

目の観音様

先月号をお配りしている際に、十一月号でご紹介しました「目直し観音」こと柳谷観音の場所についてお尋ねいただきました。参道の真ん中あたり、樫尾クリニックさんのすぐ近くにあります。柳谷観音についてはさらに面白いことがありそうですので、また来月以降に報告させて頂きます。