【第30号】来年の守り本尊は? 百度石

皆さん、こんにちは。早いもので今日は今年最後の弘法さんです。

弘法さんかわら版も今回で第三十号、来年から足かけ四年目に入ります。これも、皆さんにご愛読頂いているお陰です。本当にありがとうございます。

来年の守り本尊は?

昨年の十二月号でも紹介させて頂きましたが、毎年の干支(えと)ごとに守り本尊が定められています。申(さる)年の今年は大日如来でした。さて、来年は酉(とり)年、守り本尊は不動明王です。不動明王はとても厳しい形相をしていますが、悪を退散させる守護神です。また、商売繁盛や立身出世にもご利益があります。

不動明王を中国から日本へ伝えたのは弘法大師です。高野山金剛峰寺には、弘法大師作の不動明王像があります。弘法大師ゆかりの四国霊場の日本最小の「写し」、ここ覚王山八十八カ所霊場にも不動明王像があります。日泰寺本堂の東側B地区です。お時間があれば、一度お訪ねください。

百度石

その日泰寺本堂東側の階段の上に「百度石」と書かれた石柱があることをご存知でしょうか。石柱と本堂の間を行き来して百回お参りすることをお百度参りと言います。お百度参りは全国各地にありますが、安産や病気治癒の願いが叶うと古くから言い伝えられています。

家から本堂までを往復するのが本来の姿ですが、家が遠い人はたいへんです。そこで、百度石が誕生しました。百度石はお百度参りの折り返し点の道標なのです。

先月号では、一直線に聖地を目指す巡礼や、四国霊場のように回る巡礼をご紹介しました。お百度参りは、言わば往復する巡礼と言えるかもしれませんね。

「町石」の謎

百度石とは性格が違いますが、石造りの道標は、高野山や四国霊場の巡礼に欠かせないものです。高野山の山上に至る表参道には、一町(=百九メートル)ごとに町石(ちょういし)と呼ばれる石柱が立てられています。参道入口から根本大塔まで百八十基あります。また、根本大塔から奥の院に至る三十七町の道には三十六基の町石があります。

この町石の数には深~い意味があります。この数は弘法大師が日本に伝えた密教の曼荼羅(まんだら)と関係があります。曼荼羅とは、仏様の世界を図で表したもので、胎蔵界曼荼羅と金剛界曼荼羅の二つがあります。胎蔵界に描かれる仏様の数が百八十、そして金剛界の仏様の数が三十七であることにちなみ、同じ数の町石を立てたというわけです。

さらに、この町石は弘法大師の生誕地、讃岐(香川県)から運んできたものだそうです。

日泰寺の除夜の鐘で四苦八苦忘れ

あと数日で大晦日です。日泰寺でも恒例の除夜の鐘が突かれます。除夜の鐘はなぜ百八回かというと、人間が持つ百八の煩悩を消し去るためと言われています。また、人間のさまざまな苦しみ、つまり四苦八苦を消すためという説もあります。苦=九と考えると、四×九+八×九=百八になります。

それでは、皆さん、来年もどうぞよろしくお願い致します。日泰寺の除夜の鐘を聞き、今年の四苦八苦を忘れ、よい年をお迎えください。

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