【第29号】巡礼アラカルト 祝!覚王山日泰寺百周年

皆さん、こんにちは。今年もあとひと月あまりとなりました。巡礼の話題を中心にお伝えしてきました今年のかわら版もあと二回となりました。

巡礼アラカルト

覚王山八十八カ所霊場は、半径1キロメートル以内に全ての霊場がある四国巡礼地の日本最小の「写し」です。一日で回ることのできるありがたい「写し」です。

さて、本家の四国巡礼地は、ご承知のとおり徳島、高知、愛媛、香川の順に、四国を時計回りに参拝する丸い霊場巡りです。実は、これ、世界的にも珍しい巡礼方式です。

ヨーロッパでは、ローマ、エルサレム、サンチャゴ(スペイン)が三大巡礼地と言われていますが、いずれも一直線に聖地を訪ねる旅です。

西国三十三カ所、坂東三十三カ所、秩父三十四カ所など、他の国内巡礼でもグルッと回る方式のものはありません(余談ですが、この三つをあわせて、百観音巡りとも言います)。

かわら版でご紹介した、石仏巡り、七福神巡りのほかにも、巨木巡りなど、まだまだ知らない巡礼がありますが、いずれも回る巡礼ではありません。

世界的にも珍しい回る巡礼の「写し」ですから、覚王山霊場も八十八番は一番の近くに戻ってくるようになっています。なるほどという感じです。

祝!覚王山日泰寺百周年

ところで、一九〇四年(明治三十七年)に覚王山に建立された日泰寺は、今年が百周年です。タイから送られた本物のお釈迦様の骨(仏舎利)を祀るのが日泰寺建立の目的でしたので、今月十五日の記念行事には、タイからもお客様をお迎えしたそうです。

奉安塔、大書院鳳凰台公開!

先月三十日には、その仏舎利を収めた奉安塔と大書院鳳凰台が一般公開されました。

奉安塔に至る通路の手前には奉安塔を拝むための礼拝殿があります。礼拝殿に使った木材を寄進したのは大隈重信公です。幕末の志士であり、明治政府の総理大臣、早稲田大学の創立者の大隈さんが、日泰寺に足跡を残していたとは知りませんでした。

日泰寺本殿の東にある大書院鳳凰台は、二百畳もある総桧造の大変優美な大広間です。次回の公開の際には是非ご覧ください。

「目直しのお札」?

ところで、かわら版第十七号で七十七番札所の桑多山道隆寺、別名「目直し薬師」に関連して、昔、参道で配られていた「目直しのお札」のことを取り上げました。その際、それが今どうなっているかは分からないということをお伝えしましたが、日泰寺のそばにある柳谷観音というお寺が「目の観音様」と呼ばれていることが分かりました。弘法大師像と、京都の東寺では大師の化身と呼ばれている不動明王像も祀られています。何か関係があるかもしれませんね。ご報告しておきます。

いよいよ来月「弘法さんを語る会」

さて、弘法大師のことをもっと知るために、来る十二月十四日(火)、「弘法さんを語る会」を開催させて頂きます。第一回のテーマは、「弘法大師の生涯」です。

場所は日泰寺西側の庭園ギャラリー「いち倫」です。「いち倫」については裏面をご参照ください。定員二十人ですので、お時間とご興味のある方のご参加を、心よりお待ちしております。