皆さん、こんにちは。先月の弘法さんは、残念ながら台風に見舞われました。露店もほとんど出ず、お出掛けにならなかった方も多いと思います。そこで今日は、弘法さんかわら版も、先月号といっしょに配らせて頂いております。先月号もどうぞご覧ください。
「ごしょうとう」?「ごようとう」?
さて、かわら版第二十号(今年の二月号)で、毎年三月二十一日が弘法大師の年命日であり、これを「御祥当」と呼ぶことを紹介させて頂きました。その際、「御祥当」の読み方を「ごようとう」としておりましたところ、ある露店のご主人から「ごしょうとう」が正しい読みではないかとのご指摘を頂戴致しました。ありがとうございました。
お答えがたいへん遅くなって恐縮ですが、編集部スタッフが調べた結果をご報告させて頂きます。
「祥」=「正」なので「しょう」が正しいで「しょう」
結論から申し上げれば、「ごしょうとう」が正しい読み方でした。たいへん失礼致しました。
年命日は仏教用語では「祥月命日」(しょうつきめいにち)と言います。
これは、亡くなったその日、つまり、亡くなった日に正しく当たる日(=「正当(しょうとう)日」)のことです。「御祥当」は「御正当」なので、「ごしょうとう」が正しい読み方というわけです。
例えば、三月二十一日に亡くなった人の「正当」=「祥月命日」は毎年三月二十一日になります。
こうしたことから、弘法大師の「祥月命日」を人々が敬意を込めて「御祥当」と呼びます。
では、なぜ「正」が「祥」に変化したのでしょうか。
その理由の第一は、「お正月」と混同しないようにするためです。祥月は、正に忌(=命日)のある月なので「正忌月」とも言い、もともとは「正月(しょうつき)」とも呼ばれていました。でも、これでは年初のおめでたい「お正月(しょうがつ)」といっしょになってしまいますよね。
第二には、中国の古い儒教の影響があります。儒教の「礼記(らいき)」という書物には「親が死んで十三ヶ月目を小祥、二十五ヶ月目を大祥と言う」という記述があります。仏教が儒教の影響を受け、一周忌のことを小祥忌、三回忌のことを大祥忌と呼ぶようになりました。
こうした習慣を受け、「祥」という字が使われるようになったそうです。
お砂踏(おすなふみ)
「祥月命日」が「御祥当(ごしょうとう)」と呼ばれて人々の尊敬を集めている弘法大師空海ですが、大師の修験の場は言うまでもなく四国八十八か所霊場です。ここ覚王山八十八か所霊場は日本最小の最もお手軽な「写し」です。しかし、さらにお手軽な八十八か所霊場の功徳を得る方法があります。それは「お砂踏」というものです。それは、四国霊場の砂を詰めた座布団を踏み、それぞれの霊場のご本尊を描いた掛け軸を拝むという作法です。大変短い時間で四国霊場を巡礼したのと同じ霊験を得ることができるそうです。
この「お砂踏」が、なんと明日七月二十二日から八月三日まで、名鉄パレ神宮店で開催される「四国八十八か所、お砂踏、ご本尊展」で体験できます。
ご興味のある方は、是非お出掛けになってはいかがでしょうか。編集部も体験してきたいと思います。