皆さん、こんにちは。弘法さんかわら版は今月号が第二十四号です。皆様のご愛顧をもちまして、丸二年を迎えることができました。本当にありがとうございます。
さて、今年の弘法さんかわら版は、覚王山八十八カ所霊場に因み、さまざまな「巡礼」についてご紹介させていただいています。先月号でとりあげました「七福神巡礼」について、もう少し詳しく調べてみました。
七難転じて七福と為す
七福神は室町時代の末頃、民衆に信仰されるようになりました。七福は「仁王経」というお経の中にある「七難七福」という言葉が語源とされています。「七」という数字は、中国では古くから縁起の良い数と考えられていたようです。七つの福徳がそれぞれの神に託されています。
恵比寿天(恵比須天)は、鯛を抱えた姿からわかるとおり、漁業や海運の神です。大黒天は農業や炊事の神、毘沙門天は武勇の神、弁財天(弁才天)は知恵と芸能の神、水の神です。福禄寿と寿老人はいずれも人々の幸福と長寿を司る神で、両者は同神とする説もあります。布袋は七福神の中で唯一実在した人物(中国の禅僧)が神格化されたものです。その豊かな体格から弥勒菩薩の化身とも言われています。なお、大黒天と毘沙門天は仏教の守り神でもあります。
七福神信仰は江戸時代に盛んとなり、宝船に乗った七福神の絵は商売繁盛の縁起物として喜ばれ、枕の下に敷いたり、床の間に飾る風習がはやりました。
愛知の七福神巡礼
福の神を祀る寺社仏閣を参拝する七福神巡りも、江戸時代中頃に盛んになりました。年末年始に行われることが多く、色紙一枚に七福神の御朱印を集めます。七福神巡りは全国にあります。愛知県内では、編集部が調べたところ、とりあえず九つ確認できました。
一番人気はなごや七福神です。笠寺観音の恵比須天、大須観音の布袋などが含まれています。この二つは、過去のかわら版でご紹介した名古屋四観音となごや七福神を兼ねていることになりますね。
なごや七福神を巡礼する方々のために、毎年一月上旬に名古屋三越で御朱印を押すための色紙を配布してくれます。ご興味のある方は、一度三越にお問い合わせください。
他の八つは、尾張七福神(甚目寺町)、大府七福神(大府市)、高蔵福徳神(春日井市)、南知多七福神(南知多町など)、三河七福神(岡崎市など)、吉田七福神(豊橋市)、東海七福神(田原市など)、名古屋七福神です。
覚王山の七福神巡礼?!
最後の名古屋七福神は、最初にご紹介したなごや七福神とは別のものです。千種区城山新町の大竜寺(布袋)、千種区青柳町の法応寺(毘沙門天)を含む七寺で構成されています。明治時代には大変に賑わったそうですが、現在は忘れられています。大竜寺も法応寺も覚王山周辺です。この際、名古屋七福神を覚王山七福神として復興させたいものですね。覚王山周辺の寺社で七福神を祀ってあるところがあれば、是非、編集部までご教示ください。
三年目も頑張ります!
さて、弘法さんかわら版は来月号から三年目です。今後ともどうぞよろしくお願い致します。