皆さん、こんにちは。3月も半ばを過ぎ、日差しも春めいてきましたね。3月21日は弘法大師の年命日で御祥当(ごようとう)と言います。正確に言えば旧暦ですので、新暦では今年は5月9日になります。御祥当の縁日は一年で一番賑わうと言われますが、さて、今日はいかがでしょうか。
縁日はお祭り、市?
ところで「今日は縁日がある」とよく言います。「縁日=お祭り、市」という意味合いですが、実はこの表現、厳密に考えると少し変です。縁日は仏教用語です。ひと月のうちの決まった日に、神仏や祖師(高僧など)の供養を行い、縁を結ぶ日というのが縁日です。有縁日(うえんび)、結縁日(けちえんび)とも言い、この日に参詣すれば特別に功徳があると言われています。縁日には人が集まることから、参道や境内に露店が出て賑わいます。したがって、「今日は弘法さんの縁日なので、露店が出る」というのが正確な表現です。
潅仏会=花祭り
さて、来月8日は潅仏会(かんぶつえ)と呼ばれる行事が行われます。これはお釈迦様の誕生日を祝う行事です。日泰寺では、毎年この日に仏舎利奉安塔がご開帳になります。
潅仏会は仏生会(ぶっしょうえ)、降誕会(ごうたんえ)、あるいは花祭りとも言われます。
潅仏会のことを花祭りと呼ぶのは、お釈迦様生誕がルンビニーという場所の花畑の中だったことに由来します。先月号で、インドにお釈迦様の足跡をたどる八大巡礼地があることをご紹介しました。ルンビニーはその第一巡礼地です。花畑には季節外れのアショーカ樹の花が咲いていたと伝えられています。
竜と釈迦と弘法大師
お釈迦様生誕の際、天から竜が現れて甘露(不老不死の霊液)や花々を降らせて沐浴させたという故事に因み、潅仏会は浴仏会(よくぶつえ)、竜華会(りゅうげえ)とも呼ばれます。潅仏会に誕生仏に甘茶をかける風習はこの故事から発生しました。
弘法大師にも同様の言い伝えがあります。渇水に苦しむ平安京で弘法大師が祈祷したところ、金色の竜が現れて雨を降らせたと言われています。
巡礼と遍路
さて、今年の弘法さんかわら版は、日本最小の覚王山八十八か所霊場に因んで巡礼にまつわる話をお伝えしています。インドの八大巡礼地をはじめ、海外ではスペインのサンティアゴ巡礼、国内では西国巡礼、秩父巡礼など、巡礼と名のつく聖跡巡りはたくさんありますが、遍路という言い方は四国遍路しかありません。遍路よりも巡礼の方が広い概念のようです。
これら高僧の聖跡を辿る祖師巡礼のほか、十三仏巡り、七福神巡り、石仏巡りといった種類があることは以前にもご紹介しました。次号では、石仏巡りについて調べてみたいと思います。
覚王山春祭り開催!
来る四月三日(土)と四日(日)に覚王山春祭りが開催されます。今回のテーマは「多国籍でいこう!」。世界のいろいろな国々の食物や衣装のお店がでるようです。どうぞご期待ください。