【第20号】山門両脇は仁王像? 実は二人のお弟子さん

皆さん、こんにちは。弘法さんかわら版も20号を迎えることができました。ご愛読、ありがとうございます。暦の上では立春を過ぎましたが、まだまだ寒い日が続きます。くれぐれもご自愛ください。

山門両脇は仁王像?

さて、今日も日泰寺の山門を多くの方がくぐられたことと思います。ところで、山門の両脇の像をジックリとご覧になったことはありますか?

寺院の山門は「仁王門」と言われるものが多く、「仁王門」には仁王像=金剛力士像が置かれるのが一般的です。かわら版17号で、仏像には、①如来、②菩薩、③明王、④天部、⑤その他(高僧像など)の五種類あることをご紹介しました。金剛力士は天部に属し、仏法や寺院を護る守護神です。

弘法大師を開祖とする真言宗本山は高野山金剛峰寺です。金剛峰寺にも1705年建立の大門があり、両脇には金剛力士像が仁王立ちしています。

では、日泰寺山門の像は何でしょうか?

実は二人のお弟子さん

答えはお釈迦様のお弟子さんです。本堂に向かって左に迦葉尊者(かしょうそんじゃ)、右に阿難尊者(あなんそんじゃ)です。

お釈迦様が入滅された後の仏教の普及には、この二人のお弟子さんの功績がありました。

多くの弟子の中で最長老だった迦葉尊者は、お釈迦様の教えが勝手に解釈されることのないように、第一結集(だいいちけつじゅう)という会議を開き、議長として見事に教義をまとめました。このため、迦葉尊者は仏教の第二祖とも言われます。

一方、阿難尊者はお釈迦さまの従弟(いとこ)で、最も博識の人物であったと伝えられています。お釈迦さまの教えは口伝であったため、多くの弟子が阿難尊者から教義を学びました。そのため、阿難尊者は多聞第一(たもんだいいち)と呼ばれ尊敬を集めました。

日泰寺には本物の仏舎利(お釈迦様の骨)が祀られていますので、一番弟子の二人がお護りしているということでしょうか。

お釈迦さまの八大聖地巡礼

さて、今年のかわら版は、高僧の足跡を辿る祖師巡礼についてお伝えしています。ここ日泰寺周辺には弘法大師の聖跡の「写し」として、日本最小の八十八か所霊場があります。

インドにはお釈迦様の聖跡を巡る祖師巡礼もあり、八大聖地巡礼と言われています。聖地のひとつが入滅地であるクシナガラです。日泰寺に祀られている仏舎利は、1898年にクシナガラに近いピプラーワーで発見され、日本に分骨されたものです。

覚王山巡礼、四国巡礼の次は、八大聖地巡礼にも行ってみたいですね。

来月は御祥当

さて、来月の弘法さん、つまり3月21日は弘法大師の年命日であり、「御祥当(ごようとう)」と呼ばれています。お参りに来られる方も多く、日泰寺が一年で最も賑わう日です。年に一度の特別な日ですので、ぜひご近所やご友人とお誘い合わせのうえ、大勢の方にお出でいただけることを願っています。露店でたくさん買い物をしていただき、ついでにかわら版も是非お受け取りください。