【第18号】守り本尊 弘法大使と大日如来

皆さん、こんにちは。今年最後の弘法さんかわら版です。早いもので今年も残りわずかとなりました。

先月24日まで愛知県美術館で「空海と高野山」展が開かれていました。編集部スタッフも見学してきましたが、弘法大師自筆の書や巨大な曼荼羅(まんだら)の見事さに圧倒されました。

守り本尊

来年の干支(えと)は申(さる)です。干支にはそれぞれ、開運や厄除けの守護仏である「守り本尊」が定められています。干支は方角を表すことから、「守り本尊」も方角ごとに決まっていることになります。因みに、申は西南西を示し、「守り本尊」は大日如来です。

弘法大師と大日如来

大日如来は弘法大師が開いた真言宗の総本尊、つまり最高仏です。「日(=太陽)のように大いに遍く照らす」という意味が込められおり、大宇宙の根源と考えられています。申年の弘法さんの縁日は、大日如来のご加護で賑わいを増すかもしれませんね。

仏像は五種類

ところで、方角は東西南北とそれぞれの間の八つあることから、「守り本尊」も八つです。種類としては菩薩が五つ、如来が二つ、明王が一つです。

実は仏像の種類は五つあります。菩薩、如来、明王のほかに、古代インドの民間信仰の神々をとりいれた天部という種類、および以上の四種類のいずれにも属さないその他のグループです。最後のグループには、実在した高僧の像も含まれます。

菩薩は大衆を救うお釈迦様、如来は悟りを開いたお釈迦様の化身、明王は悪と闘う天界からの使者です。見た目も違います。菩薩は宝冠を戴いた貴族の姿、如来は髪が盛り上がり一枚衣を半身にまとった姿、明王は激しく憤怒に満ちた表情で武器を携えています。

もっとも、大日如来は例外で、如来ですが菩薩の姿をしています。

覚王山の「守り本尊」

日本最小の覚王山八十八カ所霊場にも八体の「守り本尊」が鎮座されています。日泰寺本堂東側のB地区の一角で、八体並んで世の中を見守ってくださっています。山門からすぐそばですので、ご自分の干支の「守り本尊」にお参りされてはいかがでしょうか。

弘法大師の八十八カ所四国遍路、法然上人の二十五霊場巡り、親鸞聖人の二十四輩巡りなど、宗祖・高僧の聖跡を巡ることを祖師巡礼と言います。全国各地にその「写し」があり、覚王山は四国遍路の「写し」です。

巡礼には石仏巡りや七福神巡りというものもあります。来年の弘法さんかわら版では、そうした話題もご紹介したいと思います。乞うご期待。

除夜の鐘と大日如来

さて、いよいよ年末です。今年の煩悩を消すために日泰寺の除夜の鐘を突き、申年の平穏を願って大日如来にお参りしてください。

弘法さんかわら版も次号から三年目に入ります。来年も引続きご愛読のほど、よろしくお願い致します。