【第13号】住宅?密集地域はB地区 歴史的建造分もギュウギュウ

皆さん、こんにちは!「弘法さんかわら版」も二年目に入りました。今後ともよろしくお願い致します。過去のかわら版(バックナンバー)は編集部(大塚耕平事務所・覚王山バス停前、電話052-757-1955)にございます。

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住宅?密集地域はB地区

覚王山八十八ヶ所霊場は1キロメートル四方に全ての札所が集まる「日本最小の霊場」です。札所はAからGの七地区に分かれており、一番多くの札所が集まっているのが日泰寺本堂東側のB地区です。B地区には、五~二十三番、二十五番、八十六~八十八番の二十三の札所が二百坪くらいの土地にギュウギュウに詰め込まれています。仏様の住む集合住宅、あるいは住宅密集地域という感じでしょうか。

歴史的建造物もギュウギュウ

ところで、日泰寺境内には、本堂、普門閣、寺務所、山門などがありますが、いずれも鉄筋コンクリート造りで、どちらかというと近代的な風情です。ところが、本堂の裏手に回ると、大規模な「坐禅堂」、大書院「鳳凰台」、そして「草結庵」と「同夢軒」という二つの茶室が有名な「庭園八相苑」があります。本堂前の近代的な雰囲気とは対照的に、いかにも日本的な落ち着いた佇まい(たたずまい)です。本堂の東側には松坂屋創業家(伊藤家)別邸「楊輝荘」、西側には御殿風の建築が目を引く料亭「松風閣」もあります。八十八ヶ所霊場以外にも興味深い史跡や建築物があるのが、ここ覚王山日泰寺の周辺なのです。

水の空海、火の最澄

先月号では弘法大師(空海)のお名前の移り変わりを説明させて頂きました。遣唐使として遠路中国に行かれた際には「遍照金剛」というお名前を中国の高僧から頂いたこともご紹介しました。中国では天台宗の開祖として高名な伝教大師(最澄)も一緒に修行をされたそうです。

両大師には数々の伝承が残っています。空海は雨乞いの名人であったほか、渇水に苦しむ土地に杖を差し、経を唱えると地下水が噴出したと言われています。そうした水場は全国各地にあり、「弘法水」と言われています。

 一方、最澄には火にまつわる伝承が残っています。最澄が建造した比叡山延暦寺には、千年以上燃え続けている有名な「不滅の灯明」があります。遣唐使から帰国した際に使っていた「灯明の火」も、福岡県の「千年家」と言われる灯番家が四十数代も守り続けているそうです。

覚王山夏祭は26~27日

さて、5月号でお伝えした「焙烙灸(ほうろくきゅう)」は八十七番札所で弘法さんの日に行われています。全国的には無病息災、体力増進を祈願して「土用の丑の日」に実施されることが多いようです。

「土用の丑の日」と言えばウナギですね。覚王山日泰寺参道には「魚長さん」という鮮魚料理屋さんがあります。お昼時には、お店の中から美味しそうなウナギの匂いがしてきます。ウナ丼880円、たいへんお値打ちです。美味なることは編集部がお約束します。

日泰寺のお坊さんが参道で健康と安全を祈願してくださる幻想的な儀式「泰火祭」が25日(金)の午後7時から行われます。翌26日(土)と27日(日)は恒例の覚王山夏祭です。是非お出掛けください。