【第11号】「焙烙(ほうろく)灸」って何? 「八十八ヶ所」の由来

皆さん、こんにちは!今月も弘法さんの日がやってきました。あっという間に一ヶ月が過ぎてしまいますね。

さて、先月号では「お遍路さんの衣装」についてご説明しました。白装束で行脚する由来もお分かり頂けたかと思います。ちょっと変わった行事が行われている札所についてご紹介させて頂きます。

「日本最小の八十八ヵ所霊場」であるここ覚王山日泰寺周辺の巡礼地は、小さな祠が単に並んでいるだけではなく、一軒一軒独立したお堂となっており、毎月21日になるとそれぞれの管理者の方が「お接待」をしてくださいます。番外の祠や、一部の祠は日泰寺が管理してくださっているとも聞きますが、基本的には、各札所ごとの「お接待さん」がいらっしゃり、あくまでも自主管理をされているようです。今風に言えば、ボランティアです。それぞれの札所の「お接待さん」相互の交流はあまりないようですね。「弘法さんかわら版」編集部としては、今後、「お接待さん」相互のネットワーク作りにもお役に立ちたいと思います。

「焙烙(ほうろく)灸」って何?

常連の参拝客の方々の中には、ビニール袋一杯の小銭(ほとんどが1円か5円玉)を用意して、全部の札所の賽銭箱に入れていく方もいらっしゃるようです。各札所では、それぞれ趣向を凝らしたお接待をしてくださいます。お菓子などをサービスしてくれるところもあります。珍しいお接待のひとつとして「焙烙(ほうろく)灸」というものがあります。

「焙烙灸」の由来は、昔、炎天下で暑さ負けした武将が、カブトの上から灸をすえたところ、たちまち元気になったという話に端を発しています。以来、すり鉢のような容器(=焙烙皿)を頭にのせて、そのうえでもぐさを炊いて灸をすることを「焙烙灸」と言うようになりました。そして、弘法大師がこの「焙烙灸」の効能を熱心に説いたと言われています。

その結果、全国各地のお寺や巡礼地で、一年で最も暑い盛りの「土用の丑の日」や弘法大師のご縁日(毎月21日)に「焙烙灸」を行うようになったそうです。ここ覚王山巡礼地において、編集部が確認できた「焙烙灸」を行っている祠は、八十八番札所周辺です。ほかにもあるかもしれませんね。

医学的には、頭の上に「百会のツボ」と言われる「ツボ」があるそうです。「焙烙灸」はその「百会のツボ」に灸をして刺激することで、脳の活性化、ボケ防止、夏バテ防止をはじめ、心身の健康に対して効果があると言われています。そのため、「焙烙灸」は無病息災、身体健全を祈願するお加持(祈祷)となっています。弘法大師は医学的な知識もあったのかもしれませんね。

「八十八ヵ所」の由来

ところで皆さん、過去のかわら版で巡礼地には「十八」とか「三十三」、そして最も一般的な「八十八」とか、いろんな数があることをご紹介しました。覚えていらっしゃるでしょうか。

さて、「八十八ヵ所」の由来は何でしょうか?いろんな説がありますが、「米」の文字から、五穀豊穣を祈念する数字であると言われたり、厄年の合計(男42、女33、子供13)とも言われています。真相は何でしょうか。

では、その他の数(十七とか三十三)にもそれぞれ由来があるのでしょうか。「お遍路」は奥が深いですね。興味が尽きません。

それでは皆さん、また来月お会いしましょう!!

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