皆さん、こんにちは。いよいよ梅雨ですねぇ。神経痛などが出やすい季節です。くれぐれもご自愛ください。
昨年から般若心経の意味を学んでいるかわら版。生き方や社会のあり方を考える際の道標(みちしるべ)です。
今月は「故説般若波羅蜜多呪(こーせつはんにゃーはーらーみーたーしゅー)」の九文字。この九文字は、これまでの復習のようなくだりですね。
「故」は読んで字の如く「ゆえに」という意味です。「したがって」とか「だから」ということですね。
「説」も読んで字の如く「説(と)く」です。
「故説」で「だから説きます」となりますが、何を「説く」のでしょうか。そうです、もちろんその後に続く「般若波羅蜜多呪」を「説く」のです。
「般若波羅蜜多」は六回目の登場です。五回目のくだりでも申し上げたように、もうすっかり理解した、身についたと思いたいところですが、ご心経は奥深いので、何度も復習が必要です。
「般若」は広く深い知恵のこと。「波羅蜜多」はこちらの岸(此岸、しがん)からあちらの岸(彼岸、ひがん)に渡ること。つまり「般若波羅蜜多」は広く深い知恵で彼岸に渡って悟りの境地に達すること。
「呪」もちょっと前の箇所で登場しました。「呪」は呪文の「呪」。神仏の不思議な言葉、真実の言葉を意味します。「真言(しんごん)」も「呪」と同じです。お寺の名前によく聞く「総持(そうじ)」「持明(じみょう)」なども「呪」「真言」と同じ意味(神仏の不思議な言葉)を意味することもお伝えしましたね。
ということで、「故説般若波羅蜜多呪」は「だから、広く深い知恵で彼岸に渡って悟りの境地に達する真実の言葉を説きます」となります。
「だから」というのは、ここまでの二百三十五文字で述べてきたことの全体を受けています。ご心経(つまり「般若波羅蜜多」の「呪」)は本当に素晴らしい仏様の教えなので、それを説きます。と改めて決意のほどを述べているのがこのくだりです。
大衆(人々)が救われ、世の中(社会)の争いごとを少なくするためには、一人ひとりの心の持ちよう、生き方、人間哲学が大切です。それを説くのがご心経です。
多くの人に親しまれるご心経。ここまでで二百四十四文字について学びました。あと二十六文字。いよいよ佳境、クライマックスです。頑張りましょう。
それでは皆さん、来月までごきげんよう。合掌。