【第165号】是大明呪(ぜーだいみょうしゅ)是無上呪(ぜーむーじょうしゅ)是無等等呪(ぜーむーとうどうしゅー)

皆さん、こんにちは。今年もご祥当がやってきました。ご祥当になると春本番ですね。

昨年から般若心経の意味を学んでいるかわら版。生き方や社会のあり方を考える際の道標(みちしるべ)です。

今月と来月は「是大神呪(ぜーだいじんしゅ)是大明呪(ぜーだいみょうしゅ)是無上呪(ぜーむーじょうしゅ)是無等等呪(ぜーむーとうどうしゅー)」の十七文字。

中でも今月は最初の四文字「是大神呪」だけを深掘りしたいと思います。そうすることで、あとの十三文字がわかりやすくなります。

最後の文字「呪」は呪文の「呪」。神仏の不思議な言葉を意味します。「真言(しんごん)」も「呪」と同じです。ちなみに、お寺の名前によく聞く「総持(そうじ)」「持明(じみょう)」なども「呪」「真言」と同じ意味(神仏の不思議な言葉)を意味します。

そもそも、お釈迦様の「呪」「真言」は古代インドの言語である梵語(サンスクリット語)で書かれていました。梵語で「呪」「真言」のことを「ダラニ」と言い、これを音写して漢字を当てたのが「陀羅尼」です。

ご心経の大事な一節「摩訶般若波羅蜜多(まかはんにゃはらみった)」は梵語をそのまま音写したもの。

今から千三百五十年ほど前、ご心経を漢訳した玄奘三蔵。お釈迦様の「呪」「真言」に当たる部分はあまりに意味が深淵でとても訳しきれないことを覚り、「摩訶般若波羅蜜多」はそのまま音写したのです。

「呪」「真言」を表した「ご心経」は、そういう深~いお経です。したがって「是大神呪」は「是(これ)」は偉「大」な「神」仏の「呪」「真言」です、ということを述べています。

ということが理解できると、残りの十三文字「是大明呪是無上呪是無等等呪」も何となく想像できませんか。答えは来月のお楽しみです(笑)。

他の宗教の経典も同じような面があります。言わば、キリスト教の聖書はエホバの神の「真言」、イスラム教のコーランはアラーの神の「真言」。もちろん、仏教経典はお釈迦様の「真言」。その中でも、ご心経は「真言」中の「真言」です。

しかし、お釈迦様の教えの最大の特徴は、人の心の持ちよう、生き方、人間哲学を説いていることです。他の宗教とは少し(あるいは本質的に)違う面もあります。

多くの人に親しまれるご心経。ここまでで二百十三文字について学びました。あと五十七文字ですね。頑張りましょう。

それでは皆さん、来月までごきげんよう。合掌。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です