皆さん、明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い致します。
覚王山のかわら版は十四年目、知立のかわら版も三年目に入りました。長く続けることができるのは、受け取ってくださる皆さん、配ってくださるボランティアの皆さんのおかげです。本当にありがとうございます。
毎年年末に開催している「弘法さんを語る会」も十一回を重ね、多くの皆さんにご参加いただいています。会の冒頭、皆さんと一緒に般若心経を唱えてから始めていますが、ある参加者の方から「大塚さん、般若心経の意味をかわら版で書いてください」とのご要望がありました。
私などが般若心経を解説するのは恐れ多く、そもそも無理なことですが、自分自身がご心経(ごしんぎょう)を勉強するつもりで、今月号から始めてみたいと思います。どうぞお付き合いください。
そもそも般若心経は、玄奘(三蔵法師)がインドから持ち帰った六百巻に及ぶ「大般若波羅蜜多経」の心髄(真髄)をまとめたお経と言われています。
弘仁九年(八一八年)、弘法大師が嵯峨天皇に般若心経の講義をしました。その際、弘法大師は次のように説明したと伝えられています。
「般若心経という真言(しんごん)は、とても不思議な力を持っています。朝夕にこれを読み、唱え、深く考えて日々実践すれば、生まれながら持っている煩悩から解放され、その功徳から、安らかな心境になれます」。
煩悩は過ぎたる欲から生まれます。煩悩から解放されるということは、過ぎたる欲から解放されるということ。皆がそうした心境に至れば、住みやすく、平穏で、問題の少ない社会がつくれそうですね。般若心経、しっかり勉強したいと思います。
ところで、般若心経の字数は何文字でしょうか。本文のみであれば二六六。そこから、一番最後の「般若心経」の四文字を除くと二六二。
本文に経題の「摩訶般若波羅蜜多心経」という十文字を含めると二七六。経題の上に「仏説」の二文字を加えると二七八。
いずれにしても、わずか三百文字弱の短いお経の中に、お釈迦様の教え、人間関係や社会の問題を和らげる心のあり方、もち様についての教えがたくさん詰まっています。心して学びたいと思います。
かわら版、今年もご愛読のほど、よろしくお願い致します。合掌。