皆さん、こんにちは。春が待ち遠しい季節ですが、まだまだ寒い日が続きます。くれぐれもご自愛ください。
先月まで、お釈迦様の教えの基本、「三法印(さんぽういん)」「四法印(しほういん)」をお伝えしました。今月からは「三法印」「四法印」に密接に関係する「四諦(したい)」について勉強したいと思います。
お釈迦様は「中道(ちゅうどう)」の大切さを悟りました。すなわち、快楽を追求して欲望のままに生きること、苦行に身をゆだねて自らを苛むこと、そのような両極端の生き方は無益だと悟ったのです。
そして、平穏な心で「中道」の生き方を実践するための四つの真理が「四諦」。人生と向き合うための四つの鍵と言ってもよいかもしれません。
「四諦」とは「苦諦(くたい)」「集諦(じったい)」「滅諦(めったい)」「道諦(どうたい)」の四つ。「諦」は「あきらめる」ということではなく「明らかにする」という意味を表します。
お釈迦様は、人が生きることは「苦」と向き合うことと教えました。その真理を表現しているのが「苦諦」という言葉です。
若くいたいと思っても、老いを避けることはできません。健康でいたいと思っても、病を避けることもできません。生・老・病・死の「四苦」に「愛別離苦(あいべつりく)」「怨憎会苦(おんぞうえく)」「求不得苦(ぐふとくく)」「五薀盛苦(ごうんじょうく)」の四つを加えて「四苦八苦(しくはっく)」。
愛する人ともいつかは別れなくてはならない「愛別離苦」。会いたくない人とも会わなくてはならない「怨憎会苦」。あれも欲しい、これも欲しいと求めても得られない「求不得苦」。病や欲望など、人間の心身が本能的に持っている苦しみと向き合う「五薀盛苦」。
このように、人が生きることは「四苦八苦」と向き合うことであるという真理を表すのが「苦諦」です。
この真理が得心できれば、身の回りの「苦」に対する悩みも少しは和らぐかもしれませんね。なぜなら、人生は「苦」と向き合うこと、つまり「苦諦」だからです。
では、どのように「苦」と向き合うのか。それを教えてくれるのが「集諦」「滅諦」「道諦」。来月は「苦」との向き合い方を勉強したいと思います。
何かを我慢するという「苦」を受け入れられず、あれも欲しい、これも欲しいという人々の欲求に応えて借金が膨らむ国や自治体。お釈迦様に教えを乞わなければなりませんねぇ。